kengo92iの日記

プログラミングとかやったことの記録を書いていきます。

シリアスゲームとゲーミフィケーションの講演 (岸本好弘先生)

11月5日に京都産業大学で行われた講演会のメモ書きです。

シリアスゲームゲーミフィケーションに関しての講演会が行われました。講演者の岸本好弘さんはゲーム業界ではとても有名なクリエイターです。「ゲームの面白さの仕組み」を中心に、日々の生活にもゲームの考え方を取り入れようという感じでした。講演会には行かなかったけど、どんな話をしていたのか気になる人のために講演会中に取ったメモ書きを置いておきます。


講演会に関する概要は京都産業大学コンピュータ理工学部のページをご覧下さい。


岸本好弘先生(本学OB・ファミスタの父)による、シリアスゲームとゲーミフィケーションの講演(11/5) | 京都産業大学コンピュータ理工学部の関連情報

ゲームの力を教育・社会に活用する取り組み~シリアスゲームゲーミフィケーション

1.自己紹介

ゲームの力を教育や社会に活用する
愛称:きっしー先生
Aの数が8個の落ちこぼれでした。留年はなんとかしなかった
当時はまた無名なナムコに入社しました。他の優秀な学生は教授推薦で大企業に入っていた。
28年間企業にてビデオゲーム開発に携わる 始めはプログラマー、次にプランナーと徐々に変わって行った。大学教員は、まだ三年目です。
ゲームはこうしてできている っていう本を出しました。
55年間、楽しく生きてきました

2.シリアスゲームゲーミフィケーション

一般的なゲーム = 娯楽目的のゲーム (エンターティンメント)
シリアスゲーム = 教育など社会活動に役立つ真面目なゲーム

学習シリアスゲーム = 数字の考え方が身に付くゲーム,英語が学べるゲーム,サイバーセキュリティ知識が学べるゲーム,etc

ゲーミフィケーション = ゲーム以外の分野においてゲームデザインの考え方を活用し、人々をやる気にさせること

そのゲームをすることで、ある分野の学習になっているものがシリアスゲーム
ゲームの手法を使って、ゲーム以外のものを楽しくさせるのがゲーミフィケーション

例:退屈そうな大学生の様子
大学生をやる気にさせるには -> ゲーミフィケーションを活用した楽しい授業をやろう

3.ゲームはなぜおもしろいのか?

60タイトルのゲームを作って来た
Q:皆さんは、ゲームは好きですか? -> モンスターストライク、艦隊コレクション, etc
Q:皆さんは、ゲームはなぜ面白いと思いますか? ->

遊べたいとき遊べる -> (1)能動的参加 自分で参加してるから楽しい
ステージクリアすると花火があがる -> (2)賞賛演出 自分が頑張った時に花火上がる?
ボタンを押すとマリオがジャンプする -> (3)即時フィードバック
自分でパーティが組める -> (4)自己表現
モンスターを何匹か倒すとレベルアップする -> (5)成長の可視化
最初のスライムは弱い -> (6)達成可能な目標 倒せる敵をわざと出してくれる

ゲーム開発者は上記の6つの要素を含めて、ゲームを作るから楽しいのです
=>これらを教育や社会に入れてみてはどうだろうか?

== 三分間休憩 == ~きっしーぐまストップウォッチ(3:00)~
※休憩しないと眠くなるから、いくら良い話でも90分は聞いてられない

4.教育とゲーミフィケーションの関わり

1983年頃~
「面白いゲーム」 -> ファミコン,スーパーファミコン, etc
この時のゲームセンターは怖いところだった。カツアゲされる世界をぬってゲームをする必要があった。なので、ゲームセンターにみんな行かないので、ナムコは無名だった。

2005年頃~
「教育・社会に役立つゲーム」 -> シリアスゲーム

2010年頃~
「教育や社会に役立つゲームデザイン」-> ゲーミフィケーション

シリアスゲームの3つの要素

ゲームネィティブの増加

ファミコン発売のとき10歳だった子供は、今年41歳(ゲームネィティブは日本の人口の49%)
色んなことが「ゲームみたいに楽しく」なればいい。10年後には63%にもなる
そのうち、ゲーム選択に「貴方の年齢は?って聞かれる時がくるだろう」
シルバーモードだと、字が大きいなど

価値観の変化

~1980年 働く事は良いこと,遊ぶのは悪い事
~2000年 効率よく働く事が良いこと
2000年~ 楽しく暮らすのが良いこと

テクノロジーの進歩

PC,携帯電話, スマートフォンによって、誰でもどこでも情報が取り出せる

ゲーミフィケーションの事例
くら寿司ビッくらポン!, Nike+ ランニングをゲーム感覚にする, スタンプラリー, 任天堂の実用ソフト( 脳トレ, WiiFit )など

任天堂シリアスゲームに実用ソフトという名前をつけていた

大学の授業にゲーミフィケーションを取り入れてみる
(1)能動的参加
学生と会話しながら進める,質問をするとスタンプ帳にハンコをもらえる, ある日は全員黄色の服を着てこよう!,リアルクイズ形式の授業復習
(2)賞賛演出
拍手と褒め言葉
(3)即時フィードバック
学生の授業レポートを次回授業で振り返る
(4)自己表現
グループワークで自分の意見を発言する
(5)成長の可視化
成績の中間発表, 成績はポイント制
(6)達成可能な目標設定
今日のゴール 授業の始めに今日の問題をあげておく

上記のゲーミフィケーションを取り入れると
皆能動的に勉強してくる,出席者が減らない,良い事いっぱいあります。
しかし、グループワークをすると15%の学生が来ない(グループワークをする回を休む学生は一定数いる)
私にとっては、大学授業はゲーム制作と同じ -> 学生が寝てたり、違う事をしているのを出来るだけなくしたい

5.シリアスゲームの制作

今年、13本作成しました。結局使えるゲームは6本になりました。
皆さんも一緒に、社会に役立つゲームを作りましょう

3つのゲームが紹介されました。

  • ブロックを崩して、指定の形にするゲーム
  • 脱出ゲームで英語の勉強をしよう
  • サイバーセキュリティをユイちゃんと学ぼう

きっしーぐま -公式ページ 東京工科大学メディア学部

上記のリンクから、公演中に紹介されたゲームがあそべます。

楽しい講演会でした。岸本好弘先生ありがとうございました。